識者の声

川島 猛(アーティスト・現代美術作家)

(インタビューより抜粋)
音楽は音。音のハーモニーはやはりインパクトが強い。一番人間に訴える効果があって、影響も与えるものです。人間の五感に訴えるというのが素晴らしい。
特にピアノというのは、みんなが一番馴染んでいる楽器。香川でピアノコンクールをインターナショナルな規模でやるというのは、非常に良いところに目をつけたなと思います。


音と、僕らのやっている美術の世界とか、その種の世界というのは全部同じです。全てがからんでいるので、別のモノではありません。


今回の作品は、楽譜の…僕らはおたまじゃくしと言っていたのですけど、それが人間になっています。擬似人間が一つのおたまじゃくしになっているというわけで、音符の頭が人間の頭になっていて、音符が人間になってハーモニーを奏でています。みんなが楽譜に感じてくれたらいいですが。
音が色でもあるし、音のハーモニーでもあるし、舞踊でも、ダンスでもあるわけです。抑揚感がある、リズミカルな、そういうイメージで、擬似人間化した形であるわけです。
インターナショナルから地球の丸という意味で、地球を囲ってダンスをしているというイメージです。


国際というと、どこそこの国ということと規模が違い、やはり地球単位になります。
地域性とか土着性とか、その地域の独自性といったものは色々あります。それと、グローバルとか国際というのは正反対なのですよ。
そういう視点から高松を見て、上手くプラスの方に持っていくのかというと、それは瀬戸内海だと思います。香川県と同様に、面積は狭いけれども、持っている内容の要素というのは地球規模のものです。
瀬戸内海の持っている美しさ、島とか、ロケーションや自然から見ても、四季があって、島が170もある。そういうような規模が後ろにあるわけです。
香川県は狭い。だけれども、その香川県を包んでいる半分は瀬戸内海です。それが県を越えているわけです。愛媛県とか徳島県、岡山県、広島県とか山口県といった、県を越えた規模の瀬戸内海を持っているということはすごく良いことだと思います。ある面ではグローバルな一つの地域なのです。


僕は、香川・高松で国際イベントをやるのがむしろ、遅すぎたような気がします。だからその意味で、今回の作品が “のぼり” になればと願います。

- プロフィール -
高松市出身。
1963年に渡米。ニューヨーク・マンハッタンに定住し、「N.Y.〜D.T.〜10」の抽象画シリーズで認められる。
ニューヨーク近代美術館、クライスラー美術館、東京都現代美術館、香川県文化会館、京都国立近代美術館、東京国立近代美術館、高松市美術館、など、コレクション多数。
香川県塩江町にアトリエを持ち、2004年香川県より、世界各地で香川県のイメージアップ活動を行う名誉大使「KAGAWAアンバサダー」を、委嘱される。

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